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戯曲は全部で37作。[歴史劇]、[喜劇]、[悲劇]、[ロマンス]と分類される。それぞれのあらすじ、人物相関図、有名な台詞、舞台鑑賞の感想やメモなど。2015.9全戯曲読了。

01 ヘンリー六世 第一部
<歴史劇>  人物相関図
 第一部はヘンリー5世の死からヘンリー6世の婚約までの22年間。
相関図を作りながら読んだためこの頃の君主たちににわか詳しくなる。それにしても薔薇戦争は壮大なる身内間での争いだ。 ランカスターもヨークも皆エドワード3世の末裔なのだが庶子から嫡出子に昇格した人やら同じランカスター同士でも不仲もいたり。 芝居の観客たちは皆これら登場人物たちとその関係を理解出来ていたのだろうか。それ位皆有名人なのか。
 勇将トールボットは“武士”、ジャンヌ・ダルクは敵方なので悪霊使いの魔女、喧嘩っ早い江戸っ子みたいな人も出てきて、面白い。

 エドマンド・モーティマー(第3代マーチ伯)とエドマンド・モーティマー(第5代マーチ伯)、それとロジャー・モーティマー(第4代マーチ伯)がごっちゃになって一人のエドマンド・モーティマーという人物となっている。
02 ヘンリー六世 第二部
<歴史劇>  人物相関図
 ヘンリーの結婚から暴徒ジャック・ケードの反乱、薔薇戦争勃発まで。
マーガレットとの結婚はウォリックが見初めただけで持参金も無いうえ領土も失い見合っていない感じがする。権力を握ろうと画策する腹黒集団の中にあってグロスターは高潔、ヘンリーはピュアでイノセント。
 誰が正統かは女子を王位継承者とするか否かで変わるが、理由は二の次で結局は権力争いか。自国の話で大河ドラマにでもなったら面白く見る人も多そうな話。
第二部は(続く)の様な形で終わる。

 第一部の続きとして読むと少し違和感、雰囲気が違う感じ。グロスターの印象も第一部と違う。モーティマーの系図も正しくなっている。
03 ヘンリー六世 第三部
<歴史劇>  人物相関図
 テュークスベリーの戦いでエドワード四世が勝利して(再び)王位に着くまでの16年間。
ランカスターにヨーク、王冠の奪い合い。正統な王は誰なのか。諸侯も気が変わり易くあちらに付いたりこちらに付いたり、誓いなどあって無きが如し。ヘンリーは気が優し過ぎ、マーガレット妃は武将の如く、エドワードは色狂い、リチャード(後の三世)は既に悪役、キングメーカーことウォリックは頼もしく。

 心優しきヘンリー六世、王ではなくて聖職者だったら良かったのにね。戦国の世には合わないが、文字通り敵の首を取るよりも博愛心あふれ平和的。
04 リチャード三世
<歴史劇>
バラ戦争。

「馬をくれ! 馬を! 代わりにこの国をやるぞ」"A horse, a horse, my kingdom for a horse!" (第5幕 第4場)
05 間違いの喜劇
<喜劇>
 最も短い作品。
 幼い頃生き別れになった双子の兄弟と双子の召使(各双子は同名)。兄探しの旅に出た弟達はエフェサスに着くが、そこは兄が辿り着いた先で妻も得て暮らしていたため至る所で人まちがいが起こり大騒動。実は兄弟の父も後を追い旅に出てエフェサスに来ていたが、敵対国のため捕らえられていた。身代金が支払えないため処刑される事になっていたが、公爵の前で双子の誤解も溶け尼僧院にいた母とも再開、刑は取り消され祝宴。
舞台(蜷川版オールメールシリーズ)鑑賞。

06 タイタス・アンドロニカス
<悲劇>

 どうしたのかと思うほど極めて残忍。登場人物の言動や話の進め方にやや唐突に感じられる部分もあり「習作」といった感が否めず。

 ローマ。ゴート族を制圧したタイタスは捕虜としてゴートの女王タモーラとその息子たちを連れ凱旋帰国。タイタスの息子数人を失った代償としてタモーラが懇願するも彼女の長男を生贄にする。
 先帝亡き後二人の息子が帝位を争うが、タイタスの後押しもあり兄サターナイナスが皇帝になる。妃にタイタスの娘ラヴィニアを望むが、弟バシエーナスと恋仲だったため逃げられ代わりにタモーラと結婚。
 マクベス夫人的存在のタモーラらの復讐はムーア人の愛人アーロンの加勢で残酷極まりないものに。タモーラの二人の息子はバシエーナスを殺害、ラヴィニアを慮辱、手足と舌を切り落とす。アーロンは殺害をタイタスの息子達の仕業に見せかけ、息子の命乞いの為タイタスは腕を切断するが息子たちは助からず。
 タイタスはタモーラ母子に騙されているふりをするが(やや狂気を装ったハムレット風)、息子達を殺害、皆の集まった饗宴でタモーラに彼女の息子入りパイを食べさせ殺害、タイタスはサターナイナスに殺されそのサターナイナスはタイタスの息子リューシアスに殺される。
07 じゃじゃ馬ならし
<喜劇>
 女性蔑視とも言われる作品。
 じゃじゃ馬キャタリーナと結婚したペトルーチオ。彼女に飲食睡眠をさせず、結果何でも言う通りに従う様にしてしまう。姉とは違い求婚者の多いビアンカと結ばれたのはルーセンショー。ビアンカを諦めたホーテンショーの妻も含め、最後に誰の妻が一番夫に従順かという賭けをしてペトルーチオは勝利。しかしこれらはすべて劇中劇。まるでそれを忘れたか様に劇中劇の終わりで芝居も終了。
舞台(蜷川版オールメールシリーズ)鑑賞。
08 ヴェローナの二紳士
<喜劇>
 
09 恋の骨折り損
<喜劇>
 ナヴァール王と3人の貴族たち。3年間学問に刻苦精励し、その間は女性とも会わないと誓うが、そこへ訪れたフランス王女一行に恋をして…。お互い誓約を破り恋に落ちたことがばれた王たちはロシア人に扮装し王女たちの元へ行くが、事前に知っていた王女たちにからかわれる。
 いつもの結婚式で終わる喜劇とは違い、王女の父王の訃報で複数カップル成立はあおずけとなる。

  コスタードのセリフに当時の英語の一番長い言葉としてhonorificabilitudinitatibus (27文字)が出てくる(第5幕第1場)。
10 ロミオとジュリエット
<悲劇>
 

 あまりに有名な恋愛悲劇。仇敵、モンタギュー家とキュピレット家。物語の初めでロミオは別の女性(ロザライン)への片思いで胸を焦がしていたが、忍び込んだキュピレット家の仮面舞踏会でジュリエット(13歳)と出会い、お互い激しい恋に落ちる。
 相談を受けたロレンス修道士は、二人の仲が両家の和解に繋がるかと秘密で結婚式を挙げる。
 顔を合わせるだけで喧嘩が始める両家の人々。ティボルトはマーキューシオを剣で刺し、それを聞いたロミオはティボルトを刺し殺す。
 大公から追放の命を受け悲嘆にくれるロミオ。ジュリエットは父からパリスとの縁談を命ぜられる。ロレンス修道士は婚前の前夜飲むようにとジュリエットに仮死状態になる薬を渡す。生き返ったジュリエットと共にマンチュアで暮らすようロミオに伝えるはずだったが手紙が届かず、ジュリエットの死の知らせを聞き墓に駆け付けたロミオはそこで合ったパリスと口論になり刺し殺し、ジュリエットの後を追って毒を飲む。息を吹き返しそれを見たジュリエットはロミオの剣で自害。
 これらの悲劇はすべて両家のいがみ合いが引き起こしたものと両家は和解する。
11 リチャード二世
<歴史劇>
 
12 夏の夜の夢
<喜劇>
 
13 ジョン王
<歴史劇>
 


 リチャード一世亡き後。ジョン王に対しその甥アーサーを正統な王と擁立し迫るフランス王。ジョンの姪ブランシェと仏皇太子との結婚で和解しそうになるが、ローマ法王の大使パンダルフはジョンの法王に対する態度を非難し破門、フランスをたきつける。アーサーは捕虜に。 幼子暗殺の噂にイギリス貴族たちは離反するが、フランスが勝利すれば処刑されると知り戻る。ジョン王は修道士の盛った毒で命を落とし、最後にフランス、法王とは和睦。登場人物の中で目立つのはリチャードの私生児フィリップとコンスタンスか。
14 ヴェニスの商人
<喜劇>
 

 親友バサーニオから裕福な貴婦人ポーシャに求愛するための資金を頼まれたアントーニオー。全財産は海(船)上で手持ちがなかったため保証人となるが、バサーニオが借金を頼んだ相手はユダヤ人の高利貸しシャイロック、借金のカタはアントーニオの肉1ポンド。
 ポーシャは父の遺言で金銀鉛三つの箱から正しい箱を選んだ者と結婚する事になっていたが、望み通りバサーニオが正しい箱を選ぶ。
 アントーニオーの船は難破と伝えられ、シャイロックは約束通り肉1ポンドを要求。その裁判に法学者に扮したポーシャが現れ、証文通りにして良いが血は一滴も流すなと言って諦めさせる。シャイロックは一度断ったからとお金も返して貰えず、人の生命を脅かしたかどで財産は没収、命と引き換えにキリスト教徒に改宗させられる。
 ポーシャ(と小間使いネリサ)は変装中に婚約者バサーニオ(とグラシャーノー)に自分が贈った指輪を要求、再会時指輪を人にあげた事を責めて困らせ、その後種明かし。
舞台(蜷川版オールメールシリーズ)鑑賞。

輝くもの、かならずしも金ならず(第2幕 第8場 箱選びのシーン)
15 ヘンリー四世 第一部
<歴史劇>
 
16 ヘンリー四世 第二部
<歴史劇>
 
17 から騒ぎ
<喜劇>
 口達者なベネディクトベアトリス。独身主義のはずが…。ベアトリスの従妹ヒーローに一目惚れしたベネディクトの親友クローディオ。 罠にはまってヒーローをaccuseするが誤解は解けて最後は2組の結婚式
舞台(蜷川版オールメールシリーズ)鑑賞。
18 ウィンザーの陽気な女房たち
<喜劇>
 舞台はエリザベス朝なのでこれは珍しく“現代劇”。フォールスタッフはヘンリー四世の時とは少し違う雰囲気だ。主役はタイトル通り夫人たち。ご夫人たちに言い寄るフォールスタッフを逆にからかい懲らしめる。

 


 いつもの言葉遊びに加えウェールズ訛りにフランス訛り(翻訳は大変そう)、洗濯籠とドタバタ喜劇風。女王の注文で恋するフォールスタッフの話を短期間で書き上げたとも言われるこの作品、最後は収まりも良く舞台を楽しめそうな愉快な作品。
19 ヘンリー五世
<歴史劇>
 アジンコートの戦い。
20 ジュリアス・シーザー
<歴史劇>
  実際は数年に及ぶ出来事がコンパクトに纏められドラマタイズされている。シーザー暗殺の場面は全5幕のうちの第3幕第1場と早め。ポンペイを破りローマに凱旋したシーザーを元老院が王位につかせようとする中、キャシアスはブルータスをけしかけ仲間で暗殺を画策、実行。その後のブルータス、アントニーの演説が見せ所。 シーザーを讃えていた市民は暗殺直後のブルータスの演説でブルータス派になるが、その後アントニーがブルータスを讃えるふりをしながら巧みに追悼の演説をすると市民は悪いのはブルータだスと翻る。シーザーを敬愛、ローマ市民の味方かのようなアントニーも裏ではシーザーの市民への遺産を減らすようにしていたりと、高潔、高潔と皆口々に言うが、実は皆狡猾。ブルータス、キャシアスらとアントニー達との戦い。ブルータスの前にシーザーの亡霊が現れ、戦いはアントニー軍の勝利。ブルータス、キャシアスは自害。


"Beware the ides of March" 「3月15日に気をつけろ」
(第1幕第2場/シーザー暗殺を予言する占い師のことば)

 "Et tu, Brute?" 「ブルータス、おまえもか」(第3幕第1場/シェイクスピアの創作ではない)


Greek to me=「ちんぷんかんぷん」というのは、この作品のキャスカのセリフ、シセローは何か言ったけれどギリシャ語だったので分からなかった、から来ている。
21 お気に召すまま
<喜劇>
 
22 十二夜
<喜劇>
 
23 ハムレット
<悲劇>
【四大悲劇】 デンマーク王子ハムレット。
"To be, or not to be: that is the question."(第3幕 第1場)
↑この有名なセリフの様々な日本語訳については別ページで詳しく!
24 トロイダスとクレシダ
<悲劇>
 トロイの王子パリスがギリシャ高官の妻ヘレンを奪い連れ去った事がきっかけのトロイ戦争が舞台。悲劇だが史劇のようでもあり、トロイラス(ヘクターやパリスの弟)とクレシダの恋もあるのでロマンス?とジャンル分け難き問題劇のひとつ。しかし盛り上がりに欠けるというか。アガメムノンやユリシーズなど、世界史で習ったような人物たちが登場するも誰が中心か分からず。 否、題名にもなっているのだから二人が主役か?なんだかもやっとした感じ。
25 終わりよければすべてよし
<喜劇>
 作品ジャンルでは喜劇とされるも問題作とも言われている作品。確かにいつもの結婚式で終わり、とは違う。

 フランス、ロシリオンの若き伯爵バートラムは王に仕えるためパリで旅立つ。伯爵の母に引き取られていた孤児ヘレナは彼に恋心を抱いていたため出立を悲しむ。そこで王の許を訪れ、亡くなった医師の父秘伝の処方箋でどの医者からも見放されていた王の病を治し、その見返りにバートラムとの結婚を要望。 結婚はしたが、バートラムは激しく拒絶し戦場へと逃亡。ヘレナは自分がいなくなればと巡礼の旅に出て、死んだと見せかける。
 戦場で手柄をあげたバートラムは現地でダイアナという女性に言い寄るが、ちょうどその町を訪れたヘレナの作戦によりベッドの相手は実は身代わりとなっていたヘレナだった。(「ベッド・トリック」)
 国に帰って皆が揃ったところで、バートラムはダイアナの事についてしらを切るが、死んだはずのヘレナが現れ、以前「我が子を身籠ったら妻と認める」と言った通りになっている事を知り、これからはヘレナを愛すと誓う。
 ヘレナの魅了がいまひとつ分からず。ストーリーは粉本ほぼそのままだが、口八丁、舌先三寸のペーローレスの存在によりシェイクスピアらしさ満開。
26 尺には尺を
<喜劇>
 
27 オセロー
<悲劇>
【四大悲劇】 イアーゴーの策略にはまったオセローは妻デズデモーナを殺害、後真実を知り自殺。
28 リア王
<悲劇>
 

【四大悲劇】 ブリテン王リアは老齢のため領地を三人の娘に分け与える事に。 ゴネリルとリーガンは言葉巧みに王を喜ばせるが、末娘コーディリアは率直な物言いしかせず王の機嫌を損ない勘当される。それに異を唱えたケント伯も追放の身に。

リアはゴネリルとリーガンのもとに身を寄せるが邪険に扱われ、自分の間違いに気づく。娘たちの裏切りに絶望したリアは荒野をさまよう。そばに仕えるのは変装したケントと道化。

グロスター伯には嫡子エドガーと庶子エドマンドがいた。エドマンドはエドガーが父殺害を企てていると騙し、エドガーは止む無く逃亡。きちがい乞食のふりをする。

コーディリアと夫のフランス王が進軍してくる。フランス軍と通じている事をエドマンドに密告されたグロスターはコーンウォール公(リーガン夫)らに拷問される。あまりの非道に耐えかねた召使にコーンウォールは致命傷を与えられる。

コーディリアはリアと再会したものの共に捕らえられる。イングランドはフランス軍に勝利するが、ゴネリルはエドマンドの恋敵リーガンを毒殺、エドマンドはエドガーと決闘の末倒される。リアとコーディリアに刺客を差し向けていた事を告白するが既に処されており、コーディリアの亡骸を抱いたリアが現れ、嘆きながら息を引き取る。
29 マクベス
<悲劇>
【四大悲劇】 三人の魔女。
30 アントニーとクレオパトラ
<悲劇>
 『ジュリアス・シーザー』に続く三頭政治時代の約10年間の話。アントニー43歳、クレオパトラ29歳、オクテーヴィアス・シーザー23歳。 『ジュリアス・シーザー』で名演説を披露したあのアントニーも、この作品ではあまり良いところが見当たらず。なぜ優勢な戦いの真っ最中に退散したクレオパトラを追って敗走したの?アイアラスの死因は何?それにしてもこの時代の使者って八つ当たりばかりされて気の毒。
31 コレオレーナス
<悲劇>
 
32 アテネのタイモン
<悲劇>
“一番読まれる事が少なく、上演される事の稀な作品” とも言われている。

アテネの貴族タイモンは誰にでも気前よく財産を与えていたが、いつの間にか財産は尽き負債の山となっていた。散々もてなし友人と思っていた人たちに借金を申し込むが皆小狡く拒絶。絶望したタイモンはアテネを出て洞窟に暮らしすべての人を呪う。 武将アルシバイアディーズは友人の赦免を元老院に訴えるが却下、追放される。反乱軍を率いて戻って来てアテネは降伏。タイモンの力を借りて反乱軍を鎮めようとした元老院が送った兵士からタイモンの死の報せが届く。

忘恩と裏切りで人を呪うようになり洞窟/森へというのはリア王にも似ているが、主人公は思慮無さ過ぎにも見え、もっとドラマも欲しい気がする。 前半は哲学者アペマンタス、後半はタイモンによる罵詈雑言の限り。
33 ペリクリーズ
<ロマンス>
 ロマンス劇第一作。まるで早送りを見ているかのよう。 合間に入る進行役の中世詩人ガワーの説明もそれを助長している。すごい勢いで物語が(時間が)進んでいき劇的な事も種々起こるのだがどれも長くは語られず、概ね皆善人、策略家も登場せずで浅いようにも思ったが、“絶え間ない嵐としての人生を表現した劇”というのに成程と思う。

 ツロの貴族ペリクリーズはアンティオケの姫に求婚するが王の出した謎で父娘の近親相姦を知り逃亡。難破で辿り着いたペンタポリスの王女と結婚、嵐の中での出産、離別、女郎屋に売られる娘等々盛りだくさん。
34 シンベリン
<ロマンス>
 

 ロマンス劇だが喜劇的な部分あり、ローマとの戦いもあり。最後はジュピター神まで登場して一気に解決。

 ブリテン王シンベリンの娘イモージェン。継母の王妃と阿呆息子クロートン。追放されたベレーリアスは王子二人をさらい二人には父親のふりをして洞窟で一緒に暮らしている。ヤーキモーの策略でポステュマスに貞節を疑われる妻イモジェン、仮死薬、男装などは恒例の。あっさりクロートンがやられたのとイモージェンが殴り倒されたのはびっくり。変装しているとは言え実の娘が分からず、王妃の死に際の「王の事は嫌いでした」というメッセージを聞いて「知らなかった!」と言う王はちょっと滑稽な感じもした。
35 冬物語
<ロマンス>
 
36 テンペスト
<ロマンス>
 プロスペロー、キャリバン。
37 ヘンリー八世
<歴史劇>
 戦もなければ道化も出て来ないシェイクスピア最後の歴史劇。ヘンリーの最初の妻キャサリン妃、バッキンガム公、枢機卿ウルジー、権力の座にある者が転落するさまを描いており、後に女王となるエリザベスの誕生でお芝居は終わる。
 ヘンリーは嫡男を欲していたらしいのに王女の誕生と未来の繁栄を祝っての終幕。この作品がジェームズ一世の娘エリザベスの婚礼祝賀の一環ではないかと思われるというのも納得。見所は仮面晩餐会(このシーンの祝砲が原因でグローブ座全焼)や戴冠祝賀行列、読む作品としてよりも演じられた方が華やかな作品なのだろう。

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