HOME本のページ > 伊坂幸太郎
良かったらアンケート に1票を!
伊坂幸太郎 (1971〜)

1.作品リスト      2.感想・内容メモ

No
タイトル出版年memo
01オーデュポンの祈り2000.12新潮ミステリー倶楽部賞
02ラッシュライフ2002.7
03陽気なギャングが地球を回す2003.1
04重力ピエロ2003.4
05アヒルと鴨のコインロッカー2003.11吉川英治文学新人賞
06チルドレン2004.5
07グラスホッパー2004.7
08死神の精度2005.6日本推理作家協会賞
09魔王2005.1
10砂漠2005.12
11終末のフール2006.3
12陽気なギャングの日常と襲撃2006.5シリーズ2作目
13フィッシュストーリー2007.1
14ゴールデンスランバー2007.11本屋大賞/山本周五郎賞
15モダンタイムス2008.1魔王続編
16あるキング2009.8
17SOSの猿2009.11
18オー!ファーザー2010.3
19バイバイ、ブラックバード2010.6
20マリアビートル2010.9グラスホッパー続編
21PK2012.3中編3編
22夜の国のクーパー2012.5
23残り全部バケーション2012.12
24ガソリン生活2013.3.7
25死神の浮力2013.7死神の精度の続編
26首折り男のための協奏曲2014.1.31短編集
27アイネクライネナハトムジーク2014.9短編集
28キャプテンサンダーボルト2014.11阿部和重との共作
29火星に住むつもりかい?2015.2
30ジャイロスコープ2015.6短編集
31陽気なギャングは三つ数えろ2015.10シリーズ3作目
32サブマリン2016.3
33
34
01 オーデュポンの祈り
 荻島という忘れられたような島があって独自の生活が続けられている。本の裏表紙には“人語を操り「未来が見える」カカシが出てきて殺される”とある。それだけ読むとハテナ?な感じ、ファンタジー? でも読んでいくとそれが自然な存在にも見えてくる。カカシの優午(ゆうと)。良かった。
03 陽気なギャングが地球を回す
派手なカバーなのでどうなのかと思ったけれど、面白かった! 愉快。楽しい。それぞれキャラクターもいいんだよね。あと、‘センス’で共感できるものがあるのかも。このシリーズでもっと読みたい。
04 重力ピエロ
こういう結末?これで「良し」と、「解決」とするの?
05 アヒルと鴨のコインロッカー
吉川英治文学新人賞受賞作。「現在」と「2年前」が交互に描かれるカットバック形式。 良かった。悲しいけれど。
06 チルドレン
オムニバス形式。ひとつひとつの短編はそれだけで完結しているが連作短編と書かれているように同じ人物もちらちら出てくる。そして作品の並べ方も時系列に沿っているので、(同じ人物が学生だったのが社会人になって登場のように)、 ある意味ひとつの作品でもある。帯には‘伊坂幸太郎、まずはコレ!’とあるが、私はもし初めて読んだのがこれだったらこんなに続けて彼の作品は読まなかったかもしれない。勿論これも面白いのだけど。
07 グラスホッパー
殺し屋の話らしいという予備知識だけで読む。まさに殺し屋な蝉、死神のように会えば相手を自殺させる事の出来る鯨、そんな物騒な‘業界’に不似合いな元教師鈴木は妻の復讐のため‘頑張る’。伊坂作品の中でもバイオレンス多めかも。 最後の終わり方、気になります。回送電車がいつまでも通過しない。鯨のように幻覚の世界へ踏み出している?信号は見始めの契機で、列車は目覚めの合図。ならば?槿‘ファミリー’にまた会いたくなる。
08 死神の精度
 良かった。死神の話ということで最初目にした時の気分では敬遠したのだけれど、結果「死」と繋がるにしても、なぜか前向きというか良く生きることの気持ちよさのようなものを感じる話だった。 短編ながら連作となっていて最後の方に随分前に出てきた人物・エピソードとリンクするのは伊坂流。読み始めにネタバレ的な文章を誤って目にしてしまったのが非常に残念。
09 魔王
よく知らずに『モダンタイムス』を借りたら、どうも『魔王』の続編らしいというのを見て、急遽こちらを読んでみた。そして一気読み。伊坂幸太郎は読みやすい。お兄さんの超能力(?)は何だったのか?弟の力は?
12 陽気なギャングの日常と襲撃
1作目が楽しかったので、読み終わる前に2作目も買ってきた。やっぱり楽しい話は良い。
14 ゴールデンスランバー
 伊坂幸太郎版1984?(1Q84ではなくて、ジョージ・オーウェルの1984ね。)なぜか国家級の陰謀で首相暗殺犯にされる主人公。 それもかなり前から仕組まれていたというのは恐い。結局大きな力には勝てなかったのかもしれないけれど、ある意味スカッとした結末。森田くんとかはもろ伊坂キャラだな〜。
15 モダンタイムス
魔王続編。続編とはいってもこれだけ読んでも特に不都合はなかった感じ。でも勿論続けて読むと人物で出来事のつながりもあるので、もっと長いスパンの物語として読める。 「何か分からないことがあったら検索しろ。」恐いですね〜。それにしても奥さんは何者なんでしょうね〜。理解できない人物が最後には何か頼もしい‘いい人’に思えちゃうのだから不思議。やっぱり主人公の特別な力を引き出すための必然の存在?でも、なんだかんだいって、結局仲良しなふたりだったりして。 超能力よりも何よりも奥さん強過ぎ〜^^;って感じ?
18 オー!ファーザー
やっぱり伊坂作品は読んでいて楽しい。「痛快」。読後のすっきり感もまた良い。ひとつの家に4人の父親と一人の母親。 そんな有りえない状況で育った高校生由紀夫。ぐれる事も無く、それぞれの良い所を受け継ぐ(遺伝子ではなく育つ中で)事ができるのは、四股全員とうまく「結婚」まで出来てしまう母知代の生き上手の血?キャラの全く違う4人の父親たち、皆良い味を出している。 一番好きなのは悟さん。あとがきによればこれは伊坂幸太郎第T期最後の作品(新聞掲載は2006年)、ゴールデンスランバー以降が第U期との事。納得。
19 バイバイ、ブラックバード
太宰治『グッド・バイ』へのオマージュ作品。<あのバス>に連れて行かれる前に5股の相手に別れを告げに行く。 主人公星野は誠実なのか不誠実なのか、単に流されやすいだけなのか。付き添うのは怪物女繭美。伊坂氏は怖くて強い女性が好きなのだろうか(モダンタイムスしかり)。結局謎は謎のままなところが村上春樹と通じるところあり。 5話(ラーメン大食い/離婚歴のある子持ちの彼女/キャッツアイの不思議ちゃん/病気の結果待ちの彼女/女優)+繭美。太宰を読んだかどうか忘れたけれど、読んでみたくなる。
20 マリアビートル
グラスホッパー続編。人がやたらと殺される事と、悪意の塊、それもコドモなのが更に嫌悪感を起こされる王子という人物が出てくるため、読んでいて嫌な気分にもなりがちなのだけれど 、考えようによっては新幹線を舞台にしたドタバタ劇。「仕方ねぇな」と言いながら檸檬、上手(かみて)から退場。そして下手から目覚まし時計と傘を手に七尾登場、という風?蜜柑と檸檬のコンビはなんか良かった。なんだかんだ言ってお互いを分かり合っている。 カッコイイのは木村夫妻。最後に王子に対してはどうしたのか?
21 PK
中編3編。「PK」「超人」「密使」まったく違う話が3編かと思ったら繋がっていた。が、数ページづつ途切れ途切れに読んでしまったため、人物、時系列が把握しきれず…。
22 夜の国のクーパー
ファンタジックなところと猫の存在が大きいところからか、最初、村上春樹の雰囲気とちょっと似た感じを覚えた。町の出来事とクーパーの話、そして僕の話との切り替えが前半は若干しにくかったけれど、 起承転結の「転」あたりから面白くなった。猫と鼠、鉄国とこの町。為政者が変われば考え方も変わる。信じるかどうかはその人次第。疑わずに鵜呑みにすると痛い目に遭うぞ。疑う心を持て。それらのメッセージは『モダンタイムス』と通じる気も。 雰囲気はオーデュポンでメッセージ性はゴールデンスランバーやモダンタイムス、かな。
23 残り全部バケーション
えっ、そこで終わり?!とちょっとびっくり。伊坂作品なので、最後に登場人物達がどうやって結びつくのか期待しながら読む。岡田は再登場はしないのね。 (別の本でまた出たりするのかな?)意外と溝口さんもいいキャラ。「小さな兵隊」はわくわくどきどき。「問題児」に「答え児」^^ 虐待父を騙す(改心させる?)ための凝った一芝居、タイムトラベル、ターミネーター、「タキオン作戦」も面白かった。そのうち溝口&岡田コンビの続編も出るかなー。
24 ガソリン生活
楽しかった。車の事はよく分からないので、語り手が車というのを見てどうかなぁと思ったのだけど、望月家の人たちが良くて楽しめた。 利発過ぎる小学生、亨くん、いいね。ヌンチャクとかパセリとかお母さんとのやりとりも楽しい。登場する車たちの個性や、他車との情報交換、車としての人生観も面白い。そしてやはりザッパ。フランク・ザッパを聴きたくなる。(が、考えてみたらよく知らないんだった。)伊坂さんはガンダム好き?
25 死神の浮力
「死神の精度」の続編で今回は長編。娘を殺された山野辺夫妻。25人に1人いると言われる良心のない人間。千葉のとぼけた受け答え(本人は至って真面目)が可笑しい。色々な面で夫婦の力になる事となり、死神ということを忘れそうにもなる。死は避けられないものであり、誰にも等しくやって来る。怖くもあり、怖くはない。“キャンペーン適用”で一旦読者を憤らせて、その後の持って行き方はうまい。最愛の娘を殺されたら、犯人を殺してもどうにもならないし足りないだろうから。千葉さん面白いね。実際にはまだ暫くは会いたくはないけれど。
26 首折り男のための協奏曲
短編7編。伊坂作品に昔から登場する正義。首折り男なのに善人のように思えてきたり。 悪意あるいじめには神の手を。泥棒探偵黒澤も面白かった。水平リーベ僕の舟、キャッチボールの約束をした少年。本当?と思うも、本当だったら素敵だな、と。 (首折り男の周辺/濡れ衣の話/僕の舟/人間らしく/月曜日から逃げろ/相談役の話/合コンの話)
27 アイネクライネナハトムジーク
短編集。良かった。アイネクライネ、出会い/ライトヘビー、斉藤和義のシングル特典のための1作。美容院の仲の良いお客さんから紹介されたジム職の彼/ドクメンタ、仕事では几帳面なのに家庭では大雑把な藤間さんと真逆の奥さん/ルックスライク、お客さんに絡まれている所をうまい言葉で救ってくれた若い男女の話と高校生の話/メイクアップ、高校時代苛められていた相手と顧客として再会。/ナハトムジーク、終結。それぞれに少しずつ同じ人物が登場するのはいつもの伊坂流。最後のラウンドボーイにはぐっと来た。伊坂作品のセリフが好き。
28 キャプテンサンダーボルト
阿部和重と伊坂幸太郎の合作小説。アクションムービーのよう。小学校時代の同級生二人が事件に巻き込まれるのだが、その事件が壮大。国際テロに銀髪の怪人、第二次世界大戦の謎のB29…。兎にも角にもエンターテイメント。阿部氏は未読のため分からないが、伊坂作品としてはセックス&バイオレンス(という程でもないけれど)が気持ちやや多め。なぜいちいち登場人物の名前をフルネームで書くのだろう。ポンセ(カーリーコーテッド・レトリーバー)の活躍。
29 火星に住むつもりかい?
現代の魔女裁判。国家権力など強大な力を持つものの怖さ(最近の伊坂さんはこういう1984系が多いけど)。誰もがおかしいと思う事が行われていてもまかり通ってしまう恐ろしさ。伊坂作品の邪悪な人物たちが年々パワーアップしている。初期の頃から出てくる“正義”。「正義の味方」は出てくるものの、このラストはすっきりとはいかず。知らぬ間に変な世の中になっていたり、嗜虐的な人がいるという事など丸っきりのフィクション思えない点が怖いのでしょう。なお、宇宙ものではありません。
30 ジャイロスコープ
短編集。浜田青年ホントスカ/ギア/二月下旬から三月下旬/if/一人では無理がある/彗星さんたち/後ろの声がうるさい/十五年を振り返ってのインタビュー。前半はちょっと分かりにくかったけれど、全体としてはどれも「らしい」作品。if:ただのif話ではなかった!/一人では〜:サンタ会社のミスをしてしまう松田くんの特殊能力/彗星さん〜:新幹線の清掃チーム、それぞれが車内で見かけた人間模様があるスタッフの人生と結び付いて…。これが一番好きかな。パウエル国務長官の本が読みたくなる。前半作品、誰か詳しく説明して欲しい…。
31 陽気なギャングは三つ数えろ
楽しかった。前作から9年も経っていたとは。細かい部分でちょっと無理はあろうとも、こういう楽しい話は良い。4人それぞれも、集まった時の掛け合いもいいね。このシリーズで時々書いて欲しいな。

良かったら アンケート にも1票を!

ページトップへ

inserted by FC2 system