短編集。太陽の上/空を待つ/甘い果実/炎上する君/トロフィーワイフ/私のお尻/船の街/ある風船の落下、の8篇
西さんらしく独特で、よくこんな話を思いつくものだなぁと思う。星新一のようなSF的雰囲気の話もあったり、足が炎上している男がいたりと可笑しな話ばかりなのだが、どれも孤独な主人公が新しい世界に踏み出し生まれ変わる、前を向いて生きて行きたくなる話なのだった。傷ついて、再び傷つく事を恐れていても、もがいていたり、閉じこもっていても、いつまでも引きこもっていてはいけないのだ。家から、自分の殻から、出なければ。次の一歩を踏み出そう。「空を待つ」の携帯は魔法の鏡の様。「ある風船の落下」とても良かった。
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